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 ・サザエさん(第2話)「ワカメもお年頃」
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サザエさん(第2話)「ワカメもお年頃」

サザエは、ボケ老人の介護に疲れ未だ夢の中だ。
すでに二本立ての夢を見ていた。
さてさてワカメだが、
時は1997年ももう暮れようかとしていた12月。
24才になっていたワカメ。
ばっちり今時の娘さんである。
しかし、カリアゲおかっぱと超ミニスカだけは彼女のポリシーらしく、昔のままだ。
普通にカモメ第二小学校を卒業、
普通にカモメ中学を卒業
そして普通にカモメ中央高校を卒業、
また普通に波平のツテで海山商事にオフィイイイスレデエとして入社
そこで出会った課長と普通に不倫をし、彼の子供をみもごり
ワカメは生みたがったが、彼の猛反対にあい、親に内緒で堕胎。
その後彼が信じられなくなり、極度の男性不信に陥り、
酒場で同僚のOLに「男なんてくそったれ!いなくなればいいんだああ」
もうこうなってはおかっぱ美人も台無しである。
同僚も、このバカ女の相手にはうんざりしていた。
今日も案の定一人酔いつぶれ、カウンターで眠っている彼女の姿があった。
だが酔いつぶれた彼女を一人で介抱してくれる男性がいた。
新入社員の賢そうな男性である。名前はシャケ夫 年はワカメより一つ年下の23才
ワカメは心地よい眠りを邪魔されご機嫌斜めである。
「あんた何私に触っているのよ!!そうかわかったわよ。
酔いつぶれてるのを良いことに私にチョメチョメしようとしたんでしょう。
これだから男は・・・・・・・。」
悪態をつく彼女を優しい眼差しで見つめながら彼はこういった。
「ワカメさん もう無理するなよ 寂しいんだろ 俺の所へおいで」
ワカメは彼の胸で泣いた。泣いて泣いて泣きまくった。
「男なんて・・・男なんて・・・」
「大好きよおおおおおおおおおぅぅうぅ〜〜」
彼と彼女が恋に落ちるのはたやすいことだった
わずか知り合って一ヶ月で結婚話が持ち上がっていた。
松田聖子もびっくりのスピード結婚である。
ワカメは友人にこう漏らしている。「彼と出会ったときにビビビっときたのぅ」
完全にのろけである。二ヶ月前は子供をおろし、一ヶ月前は男性不信
何が起こるかわからないのが人生である。
良いこともそして悪いことも・・・・・・・
彼女は今が一番幸せな時期を迎えていたことに気付いていなかった。
頂点を極めれば後は下降するだけである。
  ・
  ・
時はちょこっと進み

明日は結婚式。
独身最後の夜を友人と過ごし 昔話に花を咲かせ、
時が過ぎるのも忘れていた。ワカメが楽しいひとときに別れを告げ
友人達と別れたのが12時を少し回った頃だった。
「よかった〜〜まだ終電あったわ
 明日遅刻したらしゃれにならないわよ
 お兄ちゃんじゃあるまいし」
そして みどりヶ丘の駅に一日の疲れと明日へのやる気とワカメを乗せた電車が滑り込んだのは1時前だった
「遅くなっちゃた〜 姉さん怒ってるかなあ
 母さんは天国で心配してるだろうな
 私の花嫁姿を見せたかったなあ」
帰りを急いでいたワカメは 普段は夜絶対通らないみどり公園を近道に選んだ。
このときすでに運命の歯車ははずれきっていた。
全く明かりのない夜の公園ほど怖い物はない。
「やっぱり通るんじゃなかったなあ〜」
しかし今から戻るのも嫌だ
もうすぐ公園を抜けきれる。
その時だった。
不意にワカメは肩をつかまれた。
「おい待てよ」男の声だ。
後ろをおそるおそる振り返るワカメ
そこには、もう32才なのに未だ浪人中のイササカ甚六が笑っていた。
「何だ甚六さんか〜〜びっくりさせないでよ」
とほっとするワカメ
「勉強に疲れて公園を散歩してたら走っていくワカメちゃんの姿を見つけたもんだから、ごめんねびっくりしただろう」
「ほんとにびっくりしたんだからあ 強盗か痴漢かと思っちゃった。でも甚六サンだから安心だ。一緒に帰ろうよ」
「俺なら安心した??」
「だって甚六サンは子供の時から知ってるし、そんな事するような人じゃないもんねえ〜〜〜」
にこにこ顔で振り返るワカメ。
しかしそこにはワカメの予想していた笑顔の甚六はいなかった・・・・。
いたのは肩を小刻みに振るわせ、静かに笑っている甚六がいた
「俺を信用するとはバカな女だぜ 
俺は未だ大学すら行けねえのに貴様は結婚だと
そんなに男が好きか??そんなミニはいて男を挑発しやがって・・・・」
甚六はワカメを押し倒した 
「きゃあああああ 堪忍してえええ」
しかし甚六は冷静に持っていたナイフを取り出しワカメのクビに突きつけた。
「さわぐんじゃねえ 殺すぞ」 恐ろしく冷静な声 
もうあのいい人の甚六ではない 前科5犯くらいありそうな犯罪者の声だった。
ワカメは恐怖におののき力が抜けていった。
「そうそれで良いんだよワカメちゃん」
ナイフで服を切り刻む甚六
少しお待ち下さい
  ・
  ・
  ・
ワカメは夢の中にいるような気持ちだった。
すべてが夢のような気がしていた。
それからどれくらいたったであろうか
ワカメは信頼していた男性の裏切り 生きる事への挫折
失意と絶望のどん底にいた。
焦点のあっていない虚ろな目をしたワカメはゆっくりと起きあがった。
そしてずたぼろにされたブラウスと超ミニを着た
「家には帰りたくない こんな姿家族に見せたくない
私は汚れてしまった 汚れてしまったのよ・・・・・・・   
こんな汚れた体では結婚は無理・・
ごめんなさい シャケ夫さん
貴男のお嫁さんになりたかった
わがままな私を許してね」
もううっすらと夜が明けていた5時頃のことだった。
ワカメは無意識のうちにみどりヶ丘駅に来ていた。
駅のホームでは忙しそうに掃除している清掃員
早めの出社のサラリーマンが5,6人いただけであった。
都心に向けての始発がなだれこんできた。
ワカメはなんのためらいもなくダイブした
その飛行型は素晴らしくまるで船木みたいだったと目撃者は語っている
その瞬間ワカメは自由だった。もうワカメを束縛する物はない
「さようなら シャケ夫さん私幸せでした」
駅なので減速してたとはいえワカメを殺すのには十分すぎるほどの破壊力の電車が今まさにひき殺そうとしていた。
ガタンガタン どしゅうううん ぐしゃああ びちゃびちゃちゃ キキーーーーー!!
「飛び込みだーーーーーーー」
早朝のホームに戦慄が走った。

磯野家に第一報が飛び込んできたのは
午前7時だった
急いで警察に駆け込む一家
死体安置所にはバケツに入ったワカメの肉体らしき肉片
未だ湯気が立ち上っている。
たまらず吐くカツオ おいしそうに食べる波平 何が起こったのかわからないタラオ
「あらお財布忘れたわ」とサザエ  
「サザエ裸足じゃないかみっともない」と嫁をたしなめるマスオ 
朝食をすべてぶちまけたカツオがすっきりした顔で
「でもワカメは母さんに花嫁姿が見せたいって言ってたから、地獄で見せれ上げられるね 姉さん」
「うるさいわね お黙りカツオ」
財布を忘れたので帰りにロー○ンでカラ○ゲ君が買えないサザエはいらだっていた。
タラオが嬉しそうに
「これは事故扱いだからおもいっきり保険金と慰謝料をふんだくれますね、これで家は金持ちです
ワカメおねいちゃんありがとうです」
子供らしい悪意のない感想だ。
この子だけはまっすぐに育って欲しい
サザエの心からの願いであった・・・・・・
ワカメの死はそれぞれの心にそれぞれの想いを抱かせ
しかしあまり強い印象もなく 1週間もしないうちに忘れ去られるのである
最後の最後までサトシへの忠誠心を忘れなかったワカメ
南斗六聖拳、義星のワカメ
義のうちに死す!!
義星のワカメらしい最後であった・・・・・・。

今思えばあのころからなにかが狂っていた
しかしその事態に気付いている者はいないそれが最悪の結果をもたらすことになるのだが・・・・・・・
それはまた別の話
posted by 事務局 at 16:24 | ツッコミ(0) | TrackBack(0) | サザエさん
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